第1章 さらなる自力のために
4.愛の力
次に幸せについて考えてみましょう。
愛という言葉を聞くと、 あなたはどのような愛を思い浮かべますか?
愛にも、自己愛、親子の愛、恋愛、人類愛、神の愛など色々な段階の愛があります。
つぎに、愛の段階について説明していきます。
(1)自己愛
愛といえばすべて良いと思われていますが、必ずしもそうとは言えません。
他人を愛するのを本当の愛といい、自分だけを愛するのを自己愛といいます。
一般的に、自己愛=我儘(ワガママ)ととられ、悪いことだと言われています。
しかし、自己愛は愛の最初の段階なのです。
自分さえ愛せない人にどうして他人を愛することができるでしょうか?
(2)親子の愛
親は本来、その子が良い子であろうと悪い子であろうと、無条件に自分の子供を愛するのが親の愛です。
親の役割は、子供が人間として立派に成長することを願い、そのための手助けをすることです。
しかし、世間には子供を自分の所有物であるかのように扱っている人が大勢います。
子供も独立した人格を持った一人の存在なのです。
その人格を認めず、自分の都合の良いようにしようとした結果が世間で色々起きている現象に繋がっているのです。
子離れの出来ない親、子供を虐待する親、親を虐待する子、親子間の殺人などもそのような結果生まれてきたのだと思います。
このように自分の子供を私物化する愛は、親の自己保存と自己愛が前提にあります。
だから本当の意味で我が子を愛しているとは言えません。
(3)恋愛
恋愛という愛の形があります。
この恋愛という愛は本当の意味での愛情でしょうか?
この恋という感情をよく見て下さい。
この感情は自分の寂しさを埋めたいという思いが中心になっているように思えます。
つまり、相手を本当に愛しているのではなく、自分中心になっている事が多いのではないでしょうか?
だから交際中も、相手を理解しようとする努力ではなく、自分のいい面だけを見せようと努力します。
そして、恋に破れた時は、当然自分の非は認めず、相手が裏切ったと思い、相手を呪い、怒ることになります。
恋をするたびにそれを繰り返すことになるのです。
だから恋愛は、自己保存、自己愛の表われといえるのです。
(4)愛の段階
愛の発展には段階があります。
最初の段階では、自分を愛することが最も重要です。
自分を愛せない人は、他人も愛することができないからです。
そして、自分を愛するためには、本来の自分に気づくことが必要です。
自分に気づき、自分を許すことができるようになれば、自分のキャパシティが広がり、他人の欠点を認め、許すことができるようになります。
他人を許せるようになると、他人を愛せるようになります。
このように自分を愛せることが、他者である自分の家族を愛し、さらに友人を愛し、異性を愛せることに繋がります。
そしてさらに愛を広げることにより、人類愛、神の愛という本当の愛に近づいていくのです。
人間は本来神の子です。
ですから神の愛に近づく事が、本来の自分、神の子としての自分に近づくことになるのです。
(5)無条件の愛
本当の愛は相手に与えるだけで、自分には何の見返りも求めないものです。
見えるもの、形のあるものとしては何も得られないものです。
つまり無条件に愛する愛です。
いままで書いてきたように、相手の愛を得ようとする目的で相手を愛することは過ちです。
愛は与えることによって、愛される人の魂に変化を与えます。
愛を与えられたことによって、愛を受けた人の魂は大きくなります。
そして、その魂は光輝き、さらにその光が愛を与えた人に返ってきます。
このように人を愛すると、愛された人の光りが愛した人に返ってきて、愛した人の魂の中にある光を大きくしてくれるのです。
その意味では、見返りがあるとも言えますが……。
(6)神の愛
愛は神の特性です。
神は人間をはじめ、生きているものすべてを愛しています。
だから、我々人間にも自由意志、自己表現を認めているのです。
善人も悪人も平等に許し、愛しています。
このような神の愛があるからこそ生命の栄えがあり、喜びがあるのです。
自分を愛すること、そして他人を愛することが自分に繋がります。
これらの神の愛は他力で生きるための大前提となります。
